「不動産の任意売却による債務整理」については当ブログでも記載しています。
任意売却による債務整理を行う手順については、特別法律で定められた制度はありません。したがって、購入希望者が存在し、不動産所有者が売却の条件に合意し、住宅ローン等の債権者(金融機関等)全ての利害関係人が同意すれば、任意売却を行うことが可能です。
しかし、現実的には、不動産所有者(債務者)がオーバーローン状態であるため、債権者が任意整理に納得する売却価格と、購入者の購入希望価格に大きな開きがある場合も少なくありません。
また、中小企業経営者、個人事業経営者の場合は、自宅兼オフィスとして不動産を使用している場合も少なくないため、任意売却による債務整理のメリットや大切さを理解したとしても、「現実的には任意売却したくてもできない」と思われる方も少なからずいらっしゃると思います。
さらに、任意売却において実はとても重要であるにもかかわらず、意外に軽視されがちなのが、債権者(利害関係人)が複数存在する場合の、売却代金の配当額です。任意売却の場合は、自動的に配当額が決定されるものではなく、各利害関係人が「任意売却の配当表」に基づく配当額に納得しない限り、任意売却は実行されません。
このように、ひとえに「任意売却による債務整理」といっても、それぞれの状況により事情は異なりますから、相談先の選定を間違えますと、一向に任意売却による債務整理が進まず、場合によっては自営業が破綻に追い込まれる場合もあります。
では、どういったところに相談すればよいのでしょうか?不動産の任意売却による債務整理の現場からの視点で、次回から本件について検討していきたいと思います。