消費者金融業者等の中には、債務者の「おまとめローン」に関する知識不足や、不安定な精神状態をはっきりと認識した上で、「所得は低いが不動産を所有する債務者」に対して、従来の多重債務を一本化することを提案し、不動産に抵当権を設定して融資を実行する場合があります。
そうすると、以下のような問題が発生する危険性が高くなります。
- 利息制限法に引きなおすと、残債がない、あるいは逆に過払金が発生していた取引が無効になってしまう。
- ほどなく返済ができなくなることを見越した融資であるため、債務者の不動産を格安で業者にとられてしまう。
- 抵当権設定や不動産を担保とした「借入枠」増加のための不動産調査等の名目で、さまざまな手数料を業者に請求されてしまう。
民法704条では、「悪意の受益者は、その受けた利益に利息を付して返還しなければならない。この場合において、なお損害があるときは、その賠償の責任を負う。」と規定されています。
場合によっては、上記のような取引を実行した消費者金融業者等は「悪意の受益者」であるため、民法704条、さらには民法90条(公序良俗に反する行為)において訴訟で争うべき取引に相当すると思われます。